問…
雪華です。
タイトルにもある通り、AM4の新たなCPUを手にしたので、また連載形式でやっていこうと思います🔥
――ARE YOU READY?
(前回のお話)
(注意事項)
作中の『現役最強』とは、AM4環境における22Q2時点での性能を指します。
(以下本文)
00)プロローグ:Matisseの限界
<CPU交換を思いつくまで>
中の人が2代目メイン機『七華』を組んで早2年。
この間、研究でもゲームでも散々使い倒してきました。
CPU交換直前の構成はこんな感じ。
組んだ当時はZen2が覇権を握る時代、その中でも特に3700Xは
- 省エネ(TDP 65W/PPT 84W)
- 高性能(当時格上だったi9-9900K相手に善戦)
- 低価格(当時は新品で4万円前後)
という、まさに優等生・秀才といったハイクラスCPUでした。
ただ、そんな3700Xでも、弱点はありました。
そして、その弱点は研究でCPUをゴリゴリ使う中で判明しました。
- シングル性能が微妙に足りない
- RTX 3070の性能を引き出せない
特に1.が致命的で、研究用のソフトやらOfficeやらがカクつくこともたまにありました。
※それでも研究室の8700無印よりは速い
※参考サイト:『Ryzen 7 3700Xをレビュー:i7どころか格上のi9すら追い込む』
また、GWの改造で組み込んだRTX 3070の性能を引き出しきれないことも悩みのタネ。
実は中の人がよく使うソフトだとGTX 1080→RTX 3070の性能向上を実感できず。
薄々CPUボトルネックを感じていたのです。
そんな訳で…
- 研究やゲームの快適性向上のため
- RTX 3070の性能を出し切るため
にCPUを交換することを思いつきました。
<CPUを絞り込もう>
そういった理由からCPUを選ぶことになるので、条件はこのようになります。
- AM4環境・X570マザボに追加投資無しで使える
- シングル性能が3700Xより高い
- 虎徹で冷やせる程度に低発熱
まず1.の条件についてですが、Ryzen 3000番台~5000番台であればどれでも使えます。
また、3.の条件ではTDP 105W/ PPT 142Wなのに8C16T/1 CCDの3800X/5800Xを除けば全て使えます。
※熱密度の観点から、実は16C(=8C *2 CCDs)搭載の3950X/5950Xの方が冷える
※もっと細かいことは『ちもろぐ』さんの3300X/3100レビューが参考になる( リンク )
よって、シングル性能の観点から、以下のCPUが候補に挙がりました。
この中で、
- Zen3 Cezanneだと最大8Cなので、マルチ性能に不満が出る
- Zen3 Vermeerでも8C以下だと熱密度orマルチ性能が足を引っ張るので選べない
と言った具合に不満点が出てしまい、最終的に残ったのは
Matisse/Vermeerの2CCDモデル
でした。
01)検討:選ばれたのは、Vermeerでした。
<Matisse vs Vermeer>
さてここで、Zen2(3900X/3950X)とZen3(5900X/5950X)の内部構造を見てみましょう。
※図では16Cモデル(3950X/5950X)を例に出した。12Cモデルの場合、各CCDから2コアが無効化される。
おわかりいただけただろうか?
この図では16Cモデルを例に出したが、
- 内部的なコアユニット(CCX)に含まれるコアの数が違う
- 性能への影響が大きい、単一L3キャッシュに直接アクセスできるコアの数が違う
ということから、Zen2ではしばし「内部的なレイテンシ」が問題になっていた。
Zen3ではマトモに性能を発揮できるまで『緩和』されているので、この時点でZen2を選ばない理由が増えます。
更に、(総合的な比較で)Zen2から2割ほどのIPC向上を果たしたZen3。
IPCが2割上がるということは、同じクロックで性能が2倍。
加えて、CCD製造プロセスこそTSMCのN7で変わらないものの、Zen3はZen2以上にクロックが伸びる。
…この時点でZen3のシングル性能がZen2からドカンと伸びることは容易に想像できますね?
先程のシングル性能の比較表にZen3/AM4最上位の5950Xを加えてみましょう。
※i7-4770はメイン機交換前の基準用。
※周波数は実測値なので、スペックシート通りには伸びていない。
※周波数は実測値なので、スペックシート通りには伸びていない。
i7-4770無印基準でシングル性能はザクッと2倍弱。
3700X基準でも3割は伸びる計算です。
ここまでZen3の伸びが激しいとなると、Zen2(Matisse)は白旗を揚げるしかないです。
そんなことで、Zen3の5900X/5950Xの一騎討ちとなりました。
<オマケ:ソルダーレイクは元気にしてる?>
IPCでもクロックでもZen3を上回り、シングル性能で絶対王者の座を奪い返したのはIntel Core iシリーズの12世代。
ソルダーレイクもといAlder Lakeです。
『シングル性能不足ならAlderの下位選べばよくね?』
そう思うかもしれませんが「待った!」を掛ける理由があります。
実はAlder Lakeの上位モデル(i5-K/i7/i9)はHybrid Architectureを採用しています。
性能重視で消費電力の激しいP-Core(Golden Cove)
省エネ重視だが性能は控えめE-Core(Gracemont)
これらが混在しているので、重たいソフトウェアにも関わらずE-Coreに仕事を振ってしまう事故が起こり得ます。
よりによって研究で使うソフトはP/E各コアの最適化がポンコツだったり、Golden Coveで性能出なかったりと…
先程の用途から考えるとAlder Lakeは扱いづらい以前に選択肢から外すべきCPUとなってしまうのでした。
また、消費電力もかなり激しく(特にi7-K以上は定格で200W逝く)、電源ユニットを考えても無理がある。
更にはM/Bも買い換える必要があり、正直アップグレードとしては割に合わないレベルだったので採用理由が焼失。
絶対性能の高さだけでは語れないナニカがある、というお話でした。
02)検討:5950X…キミに決めた!
<5900X vs 5950X>
そんな訳で、条件としては
- Zen3 Vermeerであること
- 2 CCDs構成で、12C or 16Cであること
となります。その結果が5900X vs 5950Xの一騎討ち。
ここで、これらの2 SKUを比較した表がこちら。
…コストの低さ以外で5900Xが勝てる要素が何一つございません。
何なら分割払い・中古購入も解禁したので5900Xを選ぶ理由は何もない。
そして何より。
これだけの性能差だったらロマン追って最上位が良くね?
ということになり、選ばれたのは5950Xでした。
<前回冒頭の茶番>
その結果、前回の『次回予告』にあるような茶番へ続く。
3700Xを追いやって5950Xが君臨することとなります。
(もう結構ベンチ取ってるけどね、それはそれで後から出す。)
本当はここで購入までの話題を進めたかった…が、尺の都合により次回に回します。
★)次回予告
次回は5950X購入~開封までをやっていきたいと思います。
トラブルその他諸々は長くなりすぎるので回を分けてしまおうかと。
なので…
次回:購入~開封
次次回:組替え+トラブル
で、5950Xの話題を引っ張ろうと思います🔥
やべぇ…既に1ヶ月使ってるのに記事書くだけでこんな楽しいブツがあるとか今まで知らなかったぜ…
~続~
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